今更聞けないガンダムの世界!何故45年たった今でも人気が続くのか?

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ガンダムは何故45年も人気が続くのか?ガンダム魅力を知りたい方、何から見たら良いのかよく判らない方の為に、ガンダムの世界の道標をご紹介します。

機動戦士ガンダムは1979年にテレビアニメとして放映されてから、45年の月日が流れていますが、今だにその人気が継続しており、世界中にファンが広がっています。ガンダムは聞いた事があるけど、何故そんなに続いているのか?ガンダムの魅力に触れてみたい。今更ガンダムの世界を人には聞けないという方、あまりにもたくさんありすぎて、何がどう繋がっているのかよく判らないという方の為に、ガンダムの世界の道標をご紹介します。

1章 機動戦士ガンダム誕生。その斬新な世界観

機動戦士ガンダムは1979年4月に日本サンライズ社が制作し、名古屋テレビにて放映されました。監督は富野由悠季氏。アニメーションディレクターは安彦良和氏。全43話。
機動戦士ガンダムは当時の男性向けロボットアニメの中では非常に異質なアニメでした。詳しく説明する前に、1979年以前のテレビ放映されていた代表的なロボットアニメは以下の通りです。

  • 1972年 アストロガンガー・マジンガーZ
  • 1974年 ゲッターロボ・グレートマジンガー
  • 1976年 超電磁ロボ・コンバトラーV

他にもありますが、それ以前の超有名なテレビ番組「ウルトラマン」(1966年)もそうですが、当時のテレビ番組は、正義と悪が明確にわかり易く、「正義は勝つ」が根底にありました。一方、機動戦士ガンダムの世界は、

  • 現代社会が直面している近未来の問題の延長線に物語がある。
  • この物語は、戦争ドラマであり、人間同士が何故戦うのかを問うている。
  • この物語は、ロボット戦争アニメというより、戦争に飲み込まれていく人間の悲哀や心の葛藤・人の醜さ・権力による大人の傲慢とそれに抗う青年(少年)を描き、人はどうあるべきかを問う人間ドラマである。
  • 結局のところ何が正しいのか?どちらが正しいのか?といった結論は見た人に委ねられ、どう生きるべきかを考えさせられる。

というストーリーであったということです。1979年1月に富野善幸(由悠季)が日本サンライズ(現在:サンライズ)に持ち込んだ 「設定書」には以下が記されています。

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当時のTVアニメーションからすると非常に異質であり、少年が主人公でありながら、児童向けではないことがわかります。ストーリーも1話ごとに悪役が倒される1話完結型ではなく、大河ドラマ的な壮大なストーリーが展開され、その難解さから視聴率は上がらず、もともと52話で構成されていたものが、43話で打ち切りとなります。しかし、この放映終了に大学生が、アニメ雑誌編集部に投書や電話をして、「なんであんなにいいアニメを止めるんだ」と抗議したそうです。そうして、1981年1982年に劇場版「機動戦士ガンダム」三部作が上映され、人気が高まったそうです。また、1985年には続編の「機動戦士Zガンダム」が放映され、ますますガンダム人気が高まりました。

参照:「機動戦士ガンダム」の人気が40年も続く理由・・・東洋経済
参照:NHK「ガンダム誕生秘話」 放送年度2018年度

2章 機動戦士ガンダムが生まれた当時の情勢

大学生が「機動戦士ガンダム」を支持し、このストーリーを後押ししたことが、背景であったことは驚くべきことであり、同時にこのアニメが児童向けから大人にも認められるものであったことが伺えます。
では、なぜ大学生に支持されたのかをもう少し深掘りします。大学生といえば、青年期後期に該当し、ドイツの心理学者エリクソンの発達段階理論によれば、「自分の価値観や信念を探究したり、家庭・学校・友人・社会の影響を受けながら自己認識を深めていく時期」とのことです。私自身大学時代は良く友人と社会の矛盾や仕組みについて議論を交わしたりしていたことを覚えています。
参考:エリクソンの発達段階理論

現在の大学生の環境と当時の環境は違うと思います。当時の世界情勢がどうであったかを拾い上げてみます。
main-world-event1960年代に活発であった学生運動は下火になっていったようですが、世界各国では、戦争や紛争が継続し、反戦・平和への舵を切ろうとしていた時期であったように見受けられます。富野氏の設定書にも通じる内容であり、当時の大学生に大きな共感と感動を与えたのだと考えられます。
参考:1970年代の出来事 / 1980年代の出来事

3章 映像化されたガンダムシリーズの歴史

ガンダムシリーズは本当にたくさんの作品があります。ガンダムの世界観は、現実に起こりうる未来の姿を視聴者に想像させただけでなく、多くのクリエーターにも影響を与え、彼らにより沢山の関連作品が生まれました。映像化されているものだけでも下記の通りであり、これ以外に、小説・漫画・ゲームなどのコンテンツで多くの作品があります。私も全てを網羅できていませんが、映像化されたもののみを放映された年順にまとめてみました。
tv-movie-ova-till1999
tv-movie-ova-till2015
tv-movie-ova-till2025ガンダムシリーズには、初代ガンダムの世界観を継承していないものもあります。単にガンダムをモチーフにした「機動武闘伝Gガンダム」、ガンプラをモチーフにした「ビルドシリーズ」、ガンダムというコンテンツを擬人化した「SD(スーパーデフォルメ)シリーズ」などがありますが、それらは上記には含めておりません。

4章 初代ガンダムと同じ時間軸の代表作品の時系列

ガンダムには初代機動戦士ガンダムと同じ「宇宙世紀」という時間軸で物語が繋がれているものもあれば、世界観は音場時でも、違う時間軸で物語(初代ガンダムと別の物語)が作られているものもあります。よって、よりガンダムを理解しやすいように、「宇宙世紀」の世界を描いた映像作品を抽出し、宇宙世紀の時系列で並べてみましたので、参考になさってください。
gundam-uc-choronology機動戦士ガンダムは人間ドラマであると同時に壮大な大河ドラマような物語であることから、それぞれの作品の繋がりが非常に解りづらいと思います(私も最初は苦労しました)。

宇宙世紀(UC)のガンダムの世界を理解するのにお勧めなのは

ORIGIN⇨ガンダム⇨Z⇨ZZ⇨逆シャア⇨UC⇨ハサウェイ

という流れで、これらの代表的な作品をまずご覧いただき、大きな流れを掴んだ上で他の作品をご覧頂いた方がより理解が深まると思います。(逆に表にある他の作品は、宇宙世紀であっても、繋がりを強く意識しすぎると、混乱する可能性がありますので、まずは、ORIGINからハサウェイ位までの大きな流れの作品を最初に見ることをお勧めします)

また、ガンダムのストーリーは非常に解りづらい人間ドラマですので、最初から映画版で時間を短縮して理解しようしても難しいと思いますので、TV版からご覧になられることをお勧めします。それでも映像版初代ガンダムは理解し難いかもしれません。そういう方は、漫画版The Originをお読みになるとファーストガンダムのストーリーがより深く理解出来ます。映像版のORIGINは初代ガンダムの導入までの世界を描いています。漫画版は初代ガンダムの最後まで描いています。

 5章 小説や漫画で語られるガンダムの世界

TVアニメ機動戦士ガンダムシリーズの原作や補完する小説は多数存在します。映像はより印象的に視覚で理解を深めてくれます。一方、小説は映像で表現しにくい心の動きや背景などを深く理解できるというメリットがあります。そこで、宇宙世紀の小説をリスト化しました。
gundam-novels-list漏れているものもあるかもしれませんが、ほぼ網羅していると思います。小説が好きな方は小説版からガンダムの世界に入るのも良いと思います。(私はファーストガンダム世代ですが、子供の頃、最初に見た時は理解出来ず途中で諦めた思い出があります。その後ガンプラ30周年を機にガンプラに触れ、その魅力に惹かれ、改めてガンダムに興味を持ちました。私の好きな小説家の福井晴敏氏が、富野由悠季氏に頼み、ガンダムUC(ユニコーン)を書いたということを知り、全11巻読破をきっかけに、ガンダムの世界観にどっぷりとハマってしまいました)

また、小説版ではなく漫画版もあります。小説版にはない補足ストーリーもあります。特にファーストガンダムをより深く理解するために作られた「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」は、アニメ版ファーストガンダムがよく解ります。OVA版「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」は現在第6話まで発売されています。漫画版全24巻はTVアニメ版同様、「めぐりあい宇宙編」まで描かれていますが、その内容は微妙にTVアニメ版と異なっています。THE ORIGINは細かなところを描き込んだ結果、いくつかの矛盾を修正しているからとのことで、大きな流れには違いはありません。同様に、有名な話ですが、「逆襲のシャア」は映画と小説・漫画は異なります。大きな違いは、MSです。映画版でアムロとシャアが搭乗している機体は小説・漫画版とは違います。(ネタバレになるのでこれ以上は書きません)
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6章 ファーストガンダムとは違う時間軸のガンダム

different-timeline-gundamファーストガンダムと違う時間軸のガンダムとは、「宇宙世紀」という時間軸で描かれていない物語のことです。ファーストガンダムの世界観を継承していると考えられる別の時間軸の作品をまとめました。(放送開始順に記載)
宇宙世紀ではなくても、非常に人気の高い作品もあります。ガンダムSeedシリーズはその一つであり、Seed Distineyが2005年10月にTV放送が終了してから、19年経過した2024年1月に劇場公開された「機動戦士ガンダム Seed Freedom」は、観客動員人数300万人、興行収入50億円を突破し、ガンダムシリーズの劇場公開作品のなかで歴代最高収益となりjました。私もとても好きなシリーズです。

7章 ガンダムの世界観から外れたスピンアウト作品紹介

ガンダムシリーズには、ファーストガンダムの世界観とは全く異なる(単にガンダムをモチーフにしているだけ)のスピンアウト作品がたくさんあります。何を、どこからスピンアウトと呼ぶかは賛否両論あると思いますが、私の考えでは、ファーストガンダムの世界観を継承していないものを指します。ガンダムをモチーフにしたスピンアウト作品は本当に数多くあると思いますが、いくつか代表的なTVアニメ版を紹介します。

  • 機動武闘伝Gガンダム
  • ビルドシリーズ
  • SDガンダムシリーズ

8章 ガンダムシリーズの魅力

ガンダムシリーズの魅力は数多く存在し、人によっても様々であると思います。上述の通り、ガンダムの世界観に魅せられたクリエーター・作品が数多く存在することが、それを証明しており、故に45年もの年月の間、多くの国・世代に愛されているのだと思います。しかし、まだガンダムの世界を知らない方や、よく理解されていない方のために、ガンダムシリーズの魅力を列挙したいと思います。
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9章 まとめ

ここまで読み進んで頂きありがとうございました。現在はインターネットやYouTubeなどで、たくさんの情報が簡単に手に入る時代であり、誰でも簡単に投稿できる反面、投稿者のモラルが問われる時代になっています。この記事では、ストーリーなどネタバレになるような情報はできるだけ排除し、ガンダムの世界に興味を持った方、何故45年も人気が続いているのかを解りやすくお伝えすることに注力しました。先に触れましたように、私は40歳を超えてから、ガンプラを通じてガンダムに興味を持ち、更に、好きな小説家である福井晴敏氏が書き下ろした機動戦士ガンダムUCを読破し、ガンダムの世界に本格的に惹かれました。その後、場当たり的にガンダムシリーズの映画なども見ましたが、正直何がどうなって、どう繋がっているのかよく解りませんでした。とくにZの映画を最初に見た時はもう何が何だか謎が深まるばかりでした。結果、ガンダムの世界を理解するのに(宇宙世紀を理解するのに)かなり遠回りしたと思います。皆様にはそのようなことがないよう、この記事が皆様の道標になると幸いです。ガンダムを知るには、まずTHE ORIGINからハサウェイまでの流れが良いと思います。又、違う時間軸の作品でも、特に人気の高いSeedシリーズは私も非常に好きなシリーズであり、何度見直したか解りません。Seed⇨Seed Destiny⇨Seed Freedomの順にご覧いただければ良いと思います。ガンダムは決して子供だけのものではありません。大人も楽しめるエンターテーメントです。是非ガンダムの世界を覗いて見てください。

 

 

 

 

 

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