こんにちは、なき爺です。
いつも当サイトをご覧いただき、ありがとうございます。
今回は、これからガンプラを始めてみたい方に向けて、どのような工具や道具をそろえればよいのかをご紹介します。
ガンプラ歴16年の私の経験をもとに、まずそろえたい基本工具から、きれいに仕上げるための道具、さらに一歩踏み込んで楽しむための工具まで、段階別に解説します。
ガンプラ製作の基本的な流れについては、こちらの記事も参考にしてください。

入門・初級編で必要な工具・道具
ガンプラはたくさんの種類(グレード)があります。なかでも「エントリーグレード」と呼ばれる商品は2020年に発売が開始されました。このグレードは、小さいお子様や、ガンプラに初めて挑戦する人にも、プラモデルを組み立てる喜びを知ってもらうために、工具なしで、簡単に手でちぎって作ることができます。
参考:バンダイ公式サイト:エントリーグレード
しかし、この記事をご覧になられている方の中には、「どうせ始めるなら、もう少し綺麗に、かっこよく作りたい」 と考えている方も多いと思います。また、ガンプラにはたくさんのグレードがありますので、「グレードごとに必要な工具は違うの?」と疑問をお持ちの方もいるかも知れません。
結論からいうと、ガンプラ製作に必要な道具や工具は、ガンプラのグレード毎に変わってくるという事ではありません。ただし一部の MG(マスターグレード)やPG(パーフェクトグレード)で真鍮線やバネなどの金属パーツを切断する必要があり、プラスチック用ニッパーでそれらの金属パーツを切ると刃こぼれの原因になりますので注意が必要です。また小さなネジを使用する場合などは、精密ドライバーが必要になる場合もあります。
必要な道具とは、どのグレードのガンプラを製作するかで異なるのではなく、「どこまで綺麗に仕上げたいか」「どのような作業をしたいか」によって異なります。また、加齢により必要になる道具もあります。そこで、詳しくご説明する前に、大まかな分類と必要な工具・道具を下記のように整理します。※ハサミ、テープ、容器など、家庭にある一般的な道具は含めていません。
| 1. まず用意すべきもの | 両刃ニッパー(プラスチック用) |
| 2. あったら便利なもの | ピンセット |
| 3. 綺麗に仕上げるために必要なもの | 片刃ニッパー、デザインナイフ、ヤスリ各種 |
| 4. 更に格好良く見せるために必要なもの | タガネ・スジ彫り用工具、トップコート缶スプレー |
| 5. 細かい作業を補助するもの | 拡大鏡 |
それでは事項から、詳しくご説明します。
1. まず用意すべきもの: 両刃ニッパー
ガンプラを作る上で、まず用意していただきたいのが両刃ニッパーです。子供の頃に爪切りでパーツを切り離していた人もいるかもしれませんが、ガンプラは細かいパーツや、ランナーとパーツの隙間が狭いものもあります。そのためプラモデル用の両刃ニッパーを用意することをお勧めします。
両刃ニッパーとは、図のように両方の刃でゲートを挟み、切断するタイプのニッパーです。「後で片刃ニッパーも必要になるなら、最初から片刃ニッパーを買えばいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、片刃ニッパーは扱い方によっては、刃こぼれしやすく、ランナーから直接パーツを切り出す用途には向かない場合があります。一般に両刃ニッパーより片刃ニッパーの方が高額ですので、まずは両刃ニッパーを購入することをお勧めします。
両刃ニッパーであれば、1,000円以下から購入できますので、最初はそういったものでも良いと思います。しかし、先ほども言いました通り、ガンプラはランナーとパーツの隙間が狭いところもありますので、刃先は細い物を選ぶほうが良いでしょう。私のおすすめは、タミヤの先細薄羽ニッパーです。

2. あったら便利なもの: ピンセット
殆どのガンプラには、シールやデカールが付属しています。もちろん、そうしたシールやデカールを使用しないという選択肢もありますが、せっかく付属しているのですから、使ったほうがいいと思います。むろん、使ったほうが見栄えは非常に良くなります。このシールやデカールを台紙から剥がし、貼る際には、ピンセットがあった方が便利です。どのご家庭にも家庭用ピンセットはあると思いますが、家庭用のピンセットは毛抜き用が多く、先端は短く、急に曲がっていたり、先端の角が鋭く尖っているものが多いです。こうしたピンセットは、シールやデカールを傷付ける可能性がありますのでおすすめしません。プラモデル用のものでなくても構いませんが、100円ショップのものは避けた方が良いと思います。100円ショップのピンセットは、噛み合わせ精度が高くなく、薄いデカールやマスキングテープなどを掴むのに適していない場合があるからです。
プラモデル用のピンセットはたくさん販売されています。通常ピンセットを指で掴むことで先端が閉じます。ピンセットは先端部分の形状が、まっすぐなもの、鶴首のように傾いているもの、カーブしているものやグリップの位置に滑り止めがあるものなどさまざまです。先端が尖っているものや丸くなっているもの、デカール専用のものもありますので、お好みで使いやすいものをお選びください。中には、通常のピンセットとは使い方が逆で、放置している時は先端が閉じており、指で掴むと先端が開くというものもあります。これは長時間掴んだ状態を維持しないといけない場合などにとても重宝します。
プラモデル専用と言っても決して高価ではありません。2,000円以下で良いものが手に入ります。私の愛用ピンセットはクレオスの先細鶴首ピンセットです。デカール用にはタミヤのデカールピンセットを使っています


3. 綺麗に仕上げるために必要なもの
せっかく作るなら、綺麗に仕上げたいと思う方も多いでしょう。ガンプラをただ組み上げるだけ(=素組)でも十分格好良く仕上がりますが、完成後に気になりやすいのがゲート跡です。ゲート跡が目立つと、どうしても「プラモデルらしさ」や「おもちゃっぽさ」を感じてしまうことがあります。ゲート跡を目立たなくするだけでも完成品の印象は大きく変わります。
塗装する場合でも、ゲート跡が完全に隠れるとは限りません。実はエアブラシ塗装する場合でも、塗装後にゲート跡がわかる場合があるので、2度切りやゲート跡処理は必要になります。
その為、入門・初級編でも、ゲート2度切りやゲート跡処理に慣れておいた方が良いと思います。やや作業が増えますので面倒ですが、仕上がりがグッと変わりますので、ぜひ挑戦してください。
ゲート2度切り
ゲート2度切りとは、パーツをランナーから切り離す際に、一度でゲートを切らず、二段階に分けて切る方法です。
- 最初にパーツから離れた位置でゲートもしくはランナーを切る
- パーツをランナーから切り離した後で、残ったゲートを仕上げ切りする
一度目でパーツのギリギリを切ると、白化(ゲート跡が白っぽくなること)やえぐれが起きることがあります。2度切りをすることで、このリスクを抑えることができます。
ゲート2度切りは、両刃ニッパーを使って行うこともできますが、2度目の「仕上げ切り」には、片刃ニッパーかデザインナイフがおすすめです。
片刃ニッパー
片刃ニッパーはニッパーの片方が刃面(切刃)で、もう片方はまな板面(まな板刃)になっています。両刃ニッパーがゲートの両サイドから挟むように剪断していくのに対し、片刃ニッパーは片方から剪断していくので、シャープに剪断できるため、ゲートの仕上げ切りに適しています。
一方、両刃ニッパーに比べ、剪断長さは長くなります。このためランナーについた状態のパーツを直接切ろうとすると、ゲートからの反発力が掛かりますので、力のかかり方によっては刃こぼれを起こすことがあります。そのため、片刃ニッパーは2度切りの2回目、つまりランナーから外した後の仕上げ作業で使うのが基本です。
片刃ニッパーそのものは古くから存在していたようですが、プラモデル用としては新潟県燕市のゴッドハンド株式会社が最初と言われており、究極片刃構造アルティメットニッパー5.0(GH -SPN)が有名です。 『ヌルっと切れる』 と話題になりました。5,000円以上するので高額ですが、ガンプラモデラーの憧れのニッパーでもあり、私も愛用しています。しかし、最近では色々なメーカーが、極薄片刃ニッパーを発売しています。株式会社オーロックスの極薄刃ニッパー(片刃)などが、手頃ではないでしょうか。
参考:三条ものづくり学校:「アルティメットニッパーの秘密」ゴッドハンド


デザインナイフ
ゲート跡を整える道具として、片刃ニッパーの他にデザインナイフがあります。
デザインナイフは細かな切削や、わずかに残ったゲート跡の処理に便利です。プラモデル専用の商品でなくても、文房具店などで販売されている一般的なデザインナイフで問題ありません。普通のカッターナイフは刃が大きく、強度が弱いことから、使用中に刃が若干変形し刃の角度が安定しません。結果、繊細なガンプラの仕上げ切り(ゲート処理)にはデザインナイフがおすすめです。
デザインナイフは色々と使い道があり、プラモデル製作では良く使いますので、1本持っていた方がいいと思います。
デザインナイフの刃先は色々なものがあります。ここでは、直線刃と曲線刃について紹介します。直線刃は、片面が直線で、反対側が斜面になっていいます。直線の部分を軸に固定し、正確な剪断を行うように設計されています。軸に固定する面(直線の面)を背面と呼び、刃先の先端の角度は30度、32.5度、45度などがあります。定規などの軸を使って真っ直ぐ切る場合に向いています。曲線刃は押し切りや滑らすような動作で細かい曲線を切るときに重宝します。またパーティングライン消し(カンナ掛け)、微調整などに向いています。私はデザインナイフを二本持ち、片方を直線刃用、もう片方を曲線刃用にしています。
デザインナイフは切れ味が重要です。切れ味が悪くなったと感じたら、無理に使い続けず、こまめに新しい替え刃に交換しましょう。
ナイフを使う作業では、必ず刃を自分の体や指と反対方向に向けて使うように注意しましょう。入門・初級編として、2度切りすることを考えるのであれば、片刃ニッパーの方が簡単で安全です。


ヤスリ各種
片刃ニッパーもしくはデザインナイフでゲート処理を行ったとしても、わずかな跡が残ることがあります。そのような場合は、ヤスリで表面を整えます。
もっとも手に入りやすいのは紙ヤスリです。紙ヤスリはホームセンターでも100円ショップでも購入できます。
曲面を削る場合は弾力性のあるスポンジヤスリが便利です。逆に平面を綺麗に出したい場合は、硬い平らな板などに紙ヤスリを両面テープで貼り付けて使うと綺麗な面を出しやすくなります。最初からヤスリ面がスティック状になっているものもあります。
ヤスリはプラモデル用では、240番から10,000番まで幅広くありますが、ガンプラで使用するのは、400番、600番、800番、1,000番、1,200番、1,500番程度です。クリアパーツを研磨する場合は、10,000番の後、コンパウンドをかけることもありますが、入門・初級編の基本的なゲート処理であれば、400番、600番、800番、1000番くらいまでで十分です。
ヤスリは番手が小さいがほど目が荒く、番手が大きいほど細かくなります。よって、ヤスリ掛けは、番手の小さいものから順番に番手を上げていきます。400番の後、いきなり800番や1000番でヤスリ掛けをしても効率的ではありません。ヤスリ掛けは、少しずつ番手を上げることで、前の番手の疵を消しながら、徐々に疵の深さを均一に浅くすることで表面を整えます。いきなり番手を上げても前の疵は消えにくいです。ヤスリ掛けをしていると目が細かくなっていきますので、適宜交換しないと作業効率が悪くなります。
また、ヤスリ掛けの後には削りカス(粉)が、静電気でパーツに付着します。歯ブラシや筆で払うほか、パネルラインや細かなところに入り込んで取れない場合は、流水もしくは少しの家庭用洗剤などで、洗い流してください。(塗装する場合はしっかりと洗浄し乾燥させてください)
ヤスリは消耗品ですので、自分似合ったものを選ぶと良いと思います。私は、平面は繰り返し使え、メラニンスポンジで一瞬で削りカスが取れる「マジックヤスリ」(スジボリ堂)を愛用しています。曲面はちょうど良い弾力性の 「神ヤス10mm厚」(ゴッドハンド)を愛用しています。


ヒケ処理
ヒケとは、本来平らなはずの表面が、光の当たり方によってわずかに凹みがあるように見える状態のことのことです。プラモデルは溶かした樹脂を金型に流し込む「射出成形」によって作られます。樹脂が冷えて固まる際に収縮することで、微細な凹みが生じることがあります。これがヒケです。
このわずかなヒケも仕上がりに影響がでてきます。気になる場合にはヤスリ掛けで表面を整えます。ただし、どこまで処理するかは製作者の好み次第です。軽微なヒケであれば、後述する「つや消しトップコート」を吹くことで目立ちにくくなる場合もあります。
4. 更に格好よく見せるために必要なもの
更に完成度を高めたい場合は、パネルラインを掘り直す「スジ彫り」に挑戦してみるのもおすすめです。
タガネ・スジ彫り用工具
ヤスリ掛けによって、既存のパネルライン(モールド)が浅くなった場合にも、スジ彫りでラインを復活させることができます。
このスジ彫りにはタガネやラインスクライバーを使用します。どちらも溝を平らに彫る(削る)道具です。代表的な商品には、スジボリ堂のBMCタガネ、ファンテックの斬技シリーズのスジ彫りカーバイド、ハイキューパーツのラインスクライバーがあります。他にも類似商品が多数販売されています。これらの商品はそれぞれ異なる太さのものがあり、0.075mm〜3.0mm程度まで用意されています。
とは言うものの、ガンプラの1/144, 1/100モデルでパネルラインのスジ彫りに使用するのであれば、0.15mm、0.2mm、0.3mmくらいあれば十分でしょう。私は使ったことがありませんが、安価で○本セットといったものもあります。タガネを取り替える際に六角レンチを使うようですので、安いですが面倒かもしれません。
私は、スジボリ堂のBMCタガネとBMCタガネホルダーを取り付けたものを色で番手がわかるようにあらかじめセットして使っています。



トップコート 缶スプレー
トップコートとはガンプラ完成したガンプラの表面を透明の塗膜で覆う仕上げ材です。シールやデカールを保護できるほか、デカールとの段差を消したり、表面の質感を整える効果もあります。
トップコートの仕上がりは以下の3種類です。
| 種類 | 特徴 |
| 光沢・グロス | ツヤがあり、鮮やかで光沢感のある仕上がり |
| 半光沢・セミグロス | 光沢とつや消しの中間で、落ち着いた印象 |
| つや消し・マット | しっとりとした質感になり、プラモデル感を抑えやすい仕上がり |

上記、3種類が代表的なものですが、メーカーや塗料の粒度によっても仕上がりに違いが現れます。
瓶に入っており、薄め液で薄めてエアブラシで吹くものもありますが、入門・初級編では、スプレー缶タイプのものが良いでしょう。仕上がりは好みが別れるところですが、つや消しが人気です。

プラモデルは飾っていると紫外線により、色落ち(色が薄くなる)ことがあります。よってUVカットのトップコートも発売されています。

トップコートを行う際は、以下の点に注意してください。
☑️ 雨や湿度の高い日は避ける。
ラッカー製トップコートの場合は、空気中の水分を吸ってしまい、仕上がりが悪くなります。
☑️ 一度に厚く吹かず、薄く数回に分けて吹く
1度に吹きすぎるとトップコートのムラができ、溶液が垂れて、そこだけ白っぽくなってしまいます。
☑️ 吹き始めと吹き終わりをパーツの外側から行う。
缶スプレーの場合、吹き始めや吹き終わりの際には、溶液が固まって出る場合があります。ムラの原因になります。
☑️換気の良い場所、または屋外で使用する。
トップコートは有害な有機溶剤が含まれています。水性トップコートであってもにおいが少ないだけで、少量の有機溶剤は含まれています。また霧状(ミスト状)の塗料が広い範囲で拡散しますので、床や壁、家具に付着する場合があります。
5. 細かい作業を補助するもの
人によって個人差はありますが、ほとんどの人は個人差はありますが、50歳代ごろから老眼という症状が現れます。
私もその一人であり、周りの知人を見る限り、ほとんど全ての人が老眼になります。
老眼は、加齢とともに水晶体(レンズ)の弾力が失われていき、それを支える毛様体の働きが低下したり、水晶体(レンズ)のピントを合わせる機能が低下することによって起こります。
参考:MY介護の広場「目の見える仕組み」
プラモデルのような細かな作業をする場合、拡大鏡があると作業が楽になります。視力に自信がある方でも、スジ彫りや小さなデカール貼りなどの精密作業では、拡大鏡が役立ちます。
拡大鏡にはメガネのように装着するタイプや、机に置いて使用するスタンドタイプがあります。私の経験から拡大鏡選びで重要なことは、拡大率は大きいに越したことはありません。私は10倍を使っています。今では15倍というのがありますね。ちょっと惹かれます。つぎにLEDライトが付いている方が手元を明るく照らすことができるので便利です。

最後に
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
入門・初級編で使用する工具や道具についてご紹介しました。
ただし、最初から全てを揃える必要はありません。
まずは両刃ニッパー1つあれば、ガンプラ製作は始められます。まずは1体完成させて、組み立てる楽しさや完成した時の達成感を味わってみてください。
何体か製作していくうちに、「次はもっと綺麗に作りたい」「デカールを綺麗に貼りたい」「表面の質感を整えたい」と思うようになったら、その時に必要な工具や道具を少しずつ追加していけば十分です。
最近では、性別や年齢を問わず、多くの方が世界中でガンプラ製作を楽しんでいます。
この記事が、これからガンプラを始める方の参考になれば幸いです。

